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にじり口の由来には武士の刀が関係していた!

茶室
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お茶室の入り口には、にじり口というものがあります。

あのにじり口、なんて小さくて狭いんだろうと思ったことはありませんか?

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お茶室の中に入るのに、文字通り「にじって」

手をついて入らなくてはならないいあの狭い入り口。
実はその狭さには、ちゃんと理由があるのです。

「茶室の入り口の寸法では刀を持っては入れない!」

茶は武士や町人たちの嗜みでもあり、

重要な社交の場でもありました。

しかし茶室に入ればどんな人物であろうと平等である、

という千利休の茶の湯の精神から、

にじり口の寸法がこんなに小さくなったようです。

 

なんといってもにじり口は高さが2尺2寸(約67センチ)、

幅が2尺1寸(約64センチ)ほどなので、

客である武士が刀をもって狭い入口から茶室に入ることはできません。

身分が高かろうが低かろうが、茶室の外の刀掛けに刀を預け、

頭を下げて膝をつき、にじって茶室にはいるのです。

血なまぐさい戦いに日々を過ごす戦国時代の武士達に

刀を外させるということは、

命を預かるといっても言い過ぎではないでしょう。
それだけに、亭主と客の信頼関係は密になったのではないでしょうか。

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武士の刀は茶室には不要

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千利休の活躍した時代に多く使われていた刀の刃渡りの長さは、

2尺から3尺、つまり60センチから90センチでした。

にじり口の寸法は約60~67センチ、

帯刀したままではぶつかって入りにくいことこの上なかったでしょう。
 

剣道の竹刀は子ども用で二尺からありますが、

持って歩くだけであちこちにぶつかります。

竹刀でさえ、至近距離で動かされると怖いものです。

ましてや狭い茶室にもって入るなどあり得ないことでしょう。

武士の象徴である刀を外に置かせる

両手をつかせる、といったことを求めた千利休、

切腹を命じた太閤秀吉と相容れなかったのも、

想像できるような気がします。

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別世界への入口、にじり口

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私もお茶のお稽古に初めて行った時、

にじり口からお茶室に入って先生自ら立てて頂いたお茶を頂戴しました。

あの時のにじり口の狭さに驚愕したことを今でも忘れません。

ほんとうに、狭くて、頭がぶつかる!!

その時は着物ではありませんでしたが、

ほとんどお辞儀をするような体勢でにじり入るのですから、

和装であったならどんなに大変だっただろうと思います。
けれど、苦労してにじり口からお茶室に入ると、

そこはまるで異空間、別世界です。

2畳ほどの畳の部屋、土壁、高い窓からの薄暗い光。

湯の沸く音がかすかに聞こえます。

これがにじり口の効果でしょうか・・

刀を置き、這いつくばって頭を下げて、

俗世と隔絶された空間に入り込む。

千利休の茶の湯の精神はこここに際立っているようです。

にじり口を抜けると、そこは神聖な茶の湯の世界だった

 

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茶室に入り、にじり口の戸は閉まります。

すると、静寂な空間がぴんと張り詰めるような気がします。

亭主(ここでは私の先生です)の所作、言葉、

湯が茶碗に落ちる音、全てが全身に染みわたるようでした。

この狭い空間で、先生と私の心が通い合うような、

そんな気にさえなったものです。

普段の生活をいかに多種多様な

音や色に囲まれて暮らしていたかを痛切に感じた特別な時間でした。

最後にまたにじり口をくぐって茶室から出るのも一苦労でしたが!

 
この神聖な空間に刀は必要ありません。

にじり口は茶室の入口にあって、

世俗と別れ、自分と亭主との

特別な時間を共にするための扉なのでしょう。

短い寸法の入口で、余計なものをそぎ落とし、

心をこめた一服の茶をいただく。

千利休の理想の精神を見ることができるにじり口です。

 

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千鳥

千鳥

幼かった長女を背負ってお稽古をしていただいたのが10数年前。長男が初めて歩いたのはお稽古中のお茶室でした。素晴らしい先生にめぐりあい、休み休みながらも茶道を続けています。

当時は気付き得なかったことが、違う姿をして眼前に現れてくる喜びを感じています。

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