また一期一会(いちごいちえ)です。
一期一会が茶道に由来する四字熟語
であることは、既にお話しました。
では外国の方に対して、
一期一会を簡単に説明するには
どうしたらいいでしょう。
日本語の四字熟語の説明を
外国の方にするのって
一期一会でなくても難しいですよね。
日本人ではない同僚、
上司に日々日本の文化を
理解させる必要が生じる筆者には、
日本の言葉をできる限り
正しく伝える事ができない
というのは死活問題です。
本質が伝わらないのが痛し痒しです。
昨今茶人イコール日本人
ではなくなっています。
三千家それぞれが海外支部を
複数設置している時代です。
茶道に由来することばを、
日本人以外のお茶人さんにも
知ってもらいたいし、
茶道を勉強している外国の方も
知りたい方は多いでしょう。
そもそも「一期一会」は
仏教用語を使った茶道の心得なので
欧米語の訳語はありません。
欧米のことわざを日本語の四字熟語に
あてはめることはよくありますけどね。
こうなったら日本語の意味を
よく理解して各国語で説明するしかありません。
一期一会の意味のおさらい
一期一会とは、
茶道に由来する日本のことわざ・四字熟語。
元は千利休の言葉とされます。
茶会に臨む際には、
その機会は二度と繰り返されることのない、
一生に一度の出会いである
ということを心得て、
亭主・客ともに互いに
誠意を尽くす心構えを意味します。
茶会に限らず、広く
「あなたとこうして出会っている
この時間は、二度と巡っては来ない
たった一度きりのものです。
だから、この一瞬を大切に思い、
今出来る 最高のおもてなしをしましょう」
という含意で用いられ、
さらに「これからも何度でも
会うことはあるだろうが、もしかしたら
二度とは会えないかもしれない
という覚悟で人には接しなさい」
と戒める言葉でした。
一生に一度だけの機会そのものを
指す語としても用いられました。
もっと簡単にいえば、
「一期」は一生の意味。
茶会は二度と繰り返されることのない
一生に一度の出会いであるという、
亭主と客の心構えが一期一会で、
「この人と会えるのは、
この1回しかないかもしれない。
だからこそこの出会いを大切にしよう。」
ということでしたね。
意味をまず外国語にあてはめてみよう
変な話ですけど、
四字熟語や日本のことわざを
外国語で説明しようとするときには、
何が何でも直訳に挑むより、
まず外国語におきかえやすい日本語を
作ってみると、うまくいくのです。
しかしながら一期一会は
仏教からくることばなので、
欧米ではメンタル的にも噛み合ないので、
100%同じ温度で伝えるのはむずかしい
とは思いますけれど。
どんな感じに噛み砕いてみますね。
- ひとつの出会い、ひとつのときを大切に。
- 全ての瞬間は無二である(同じものはない)。
- 今日が最後の日と思って生きるべし。
そんなところでいかがでしょうか。
こういった日本語なら、
機械翻訳にかけても、
そこそこの訳語が出てきます。
では実際の外国語訳を、
日本人にとって最もポピュラーな
外国語は英語で見てみましょう。
- one time, one meeting
- Every moment is unique.
- Live every day as though it were last.
さらに例文でも考えてみましょう
1. 一期一会は大切
Once in a lifetime chances are precious
2. また幕末には、井伊直弼が
「一期一会」の概念を完成させた
Furthermore, Naosuke II completed the general concept of ‘IchigoIchie’
(Treasure every meeting, for it will never recur) in the last days of the Tokugawa Shogunate
他のことばだとどうでしょう。
フランス語は大学の第二外国語で
よく選ばれるので、
フランス語でも調べてみました。
- Unerencotre, une chance.
- Unerencontre, une occasion.
- Chaquerencontreestuneseulerencontredanssa vie.
筆者はフランス語がまったくわからないので、
この文章で一期一会の意味を本当に伝えられるかは、
自分ではわかりませんが、
一つ目と二つ目は帰国子である
女の人に作ってもらいましたし、
最後の文章は、仏和辞典に
載っているものなので
大丈夫と信じることにします。
文化交流もまず一歩からです。
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