茶室において唯一の命あるものが茶花。
見る人に命や時の流れについて考えさせる役割を持っています。
さらに花言葉を知ると、茶花をいっそう愛でることができますよ!
意外な花言葉、納得の花言葉を楽しんでください。
茶花の代表的な花・椿
一年を通して茶室に飾られることの最も多い茶花が椿です。
茶花を一種で生けることができて、充分茶室に季節を映すことができるという意味で
格の高い花とされます。
茶花の女王とも言われる椿の花言葉は
謙虚な美、控えめな愛、慎み深さ
茶道ではほとんどの場合、椿は翌日に咲くようなつぼみを使います。
華麗さはなくても、その凛とした優美な姿がこの花言葉にぴったりですね。
その年最初の茶事、初釜では曙紅(しょこう)という種類の椿が結び柳とともに
飾られ、春の慶びを表します。
椿が茶室に飾られると、まだまだ寒い季節でもまもなく到来する春を感じて
嬉しくなってしまいます。
椿についての詳しい話はこちらでもどうぞ。
風炉の季節を代表する茶花・木槿(むくげ)
椿が主に炉の季節に使われるのに対し、木槿は風炉の季節の茶花の代表格です。
夜明けとともに花が開き、夕方には閉じてしまうその花の命が、
「槿花(きんか)一日の栄(夢)」という故事にも表れるように
その儚さが多くの茶人を引きつけてきました。
木槿の花言葉は
信念
はかなさが好まれるとはいえ、木槿は夏の間じゅう増えて次々と花を咲かせます。
一輪でしっかりと存在感があり、華やかさも兼ね備えた木槿の花言葉として
信念とは言い得て妙な気がします。
木槿が咲き始めると、夏キター!と感じるのは私だけではないでしょう。
樹いっぱいに咲き誇る木槿を見ると元気が出ます。
木槿についてはこちらでも紹介されています。
梅雨の季節の紫陽花
紫陽花を茶花として使う場合は、小ぶりな花やつぼみが好まれます。
額紫陽花(がくあじさい)
山紫陽花(やまあじさい)
額紫陽花の花言葉は
謙虚
ですが、一般的には紫陽花の花言葉といえば
移り気、高慢、浮気
母の日のプレゼントにもなる花なのにこれでいいの!?
ですよね。
花(ガクですが)が咲き始めから咲き終わりまでに色が変化するから
移り気などといわれるのでしょう。
小さな花が一つにまとまっていることから、
一家団欒という花言葉もあるようですから、
よかった、母の日にぴったり?
いずれにしても茶花としての紫陽花は
やはり梅雨の季節を彩る美しい花です。
利休最期の花、菜の花
茶道をやっている人にとって菜の花は特別な意味を持っています。
花言葉は
快活、豊かさ、競争、財産
桜よりも早く満開になって黄色一面の菜の花畑。納得の花言葉です。
しかし茶道で菜の花は利休が好んだ花として重要です。
利休が天正19年2月28日に秀吉の命により切腹を行う朝に
最後の茶を点てた時に飾った花が
菜の花だった
ということから、利休の命日には床の間に利休居士像を掛け、
菜の花と茶を供える利休忌の茶事として冥福を祈るのです。
茶花いろいろ花言葉
美しい花を挙げ始めるときりがない茶花ですが、厳選して紹介しましょう!
牡丹
花言葉:王者、高貴
まさに花の王!古くから公家、寺、貴族に愛されてきました。
牡丹についてはこちらでもどうぞ。
木蓮
花言葉:自然への愛、持続性
太古の時代からほとんど姿を変えてないそうです。
なるほど持続性。
菖蒲
花言葉:優しい心、忍耐
初風炉や端午の節句に葉とつぼみを整えて使います。
菊
花言葉:清爽
茶花として使うのは大ぶりの観賞用の菊ではなくて、山野に咲く野菊の種類です。
嫁菜や浜菊など、野趣のあるものが好まれています。
水仙
花言葉:神秘、尊重、自己愛
古くから茶花として使われ、寒い季節に咲く貴重な花として
重宝されています。
茶道では花の出生をそこなうことのないように生けると言われます。
利休は「花は野にあるように」と教えました。
自然の中に咲いている本来の姿のように生けて、
茶室に移すことが求められるのです。
生け花との大きな違いがありますね。
茶花の花言葉を知って茶室に行くと、また違った目で見ることができそうです。
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