お茶の点て方
お茶の点て方にも、
様々な工夫があるんだなぁとお稽古をしていて思います。
裏千家なのか表千家なのかでも、
お茶の点て方のポイントが異なります。
流派によって良いとされることが異なるので、
ポイントを把握して、
お茶会などに参加してみると面白いかもしれません。
ここでは、
裏千家と表千家の違いについて書いていきます。
お抹茶の量と泡立ち
お抹茶の量、泡立ちの違いから見ていきましょう。
まずお抹茶の量ですが、
表千家が一勺半（茶杓 1.5杯分）なのに対して、
裏千家は二尺（茶杓 2杯分）になります。
裏千家の方がお抹茶を多く入れることがわかりました。
そして、泡立ちについてです。
表千家は、適度に泡立て、
水面に泡立っている部分とそうでない部分とがあります。
基本的に泡はあまり立てず
泡が半月状にうっすらと残ることが美とされています。
一方で裏千家は、
お茶の水面に細かい泡がたくさん、
ふっくらと残るように泡立てます。
最後に“の”の字を書くと、泡が中心に集りふわっとさせることができます。
“の”の字ってこんな効果があるんですね。
ちょっと豆知識を加えると、
まずは思いっきり茶筅で泡を立てて、
“の”の字を書く前に表面で茶筅を振ると、
大きな泡が細かくなってとても美しいお茶が点てられます。
ここは目に見えるところだったりするので、
やってみることをお勧めします。
泡立て以外のポイント
泡立て以外にも、
抹茶のお湯の温度などにもポイントがあります。
ここは流派によって異なるのかはわからないのですが、
お茶碗に注いだときに
お湯の温度が熱くなってしまった場合は、
茶筅を良く振ることで温度を下げたりする
といった工夫があるそうです。
また、お茶を何度も点ててみて気づいたのですが、
お湯の温度が高いと泡立ちが良くなるように思います。
そう聞くと裏千家の場合は、
温かいお湯でやる方が良いかもしれませんね。
いろいろ調べている中で面白かったのが、
お茶の泡立ちについて研究されている方がいらっしゃいました。
抹茶の量とお湯の温度で、
茶の泡立ちがどう変わるのかを研究し、
論文にされていました。興味深いですね。
もう一つ、
お客様に合わせて、季節に合わせて、
お客様の旅路に合わせて、時間帯に合わせて、
お茶の量を変えるという話を聞いたことがあります。
お客様が遠方から来た場合でしたら、
普段より若干多い量でお茶を出してあげるそうです。
こういった心遣いはその時はわからないものですが、
わからないからこそ心遣いだったりするのかなぁと時々思います。
泡立て以外でも、
お湯の温度やお湯の量などで
様々な工夫がなされていることがわかりました。
お茶はいつ飲まれる？
お茶を点てて、
お客様に飲んでもらうまで
どれくらい時間がかかるかしっかり確認するのが大切そうですね。
こじんまりした茶室でやるのか、
大きな茶室で大茶会をやるのかでも、
お茶を点てるコツが変わるかと思います。
自分の手から離れて、
お客様の口に運ばれるまでをイメージして
お茶が点てられたら、
美味しいお茶が点てられそうな予感がしてきました。
お茶を上手に点てるには
流派によって、お茶を点てる時に
泡をつくるのかつくらないのかと様々な方法がありました。
そして先人の人たちが様々な工夫を重ねてきた知恵も見てきました。
これらを知った上で、
1回1回のお稽古で試行錯誤して
自分なりのお茶の点て方を考えることが
お茶を上手に点てられるようになるための
第一歩だと思いました。
お湯の温度、抹茶の種類や抹茶の量、
お客様の気分や状態という様々な要素からヒントを得て、
どんなお茶にするのかを
感覚的に覚えていくことが大切ですね。
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