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今回は茶道の基本について、お話したいと思います。
茶道とは何か
茶道を一言で定義すれば、
「定められた方法で客人に茶を振る舞うことです」。
単に抹茶を茶筅でたてていただくだけでなく、
亭主の心づくしを感謝しながら楽しみ、
季節に合わせ、厳選されたお菓子や茶碗、掛け物、花入れ、
茶花など道具の取り合わせを楽しみ、会話を楽しむ。
さらには亭主の説明を聞きながら、使われた道具と深くふれあい、
じっくり拝見して楽しむといった全てのプロセスが茶道といえるでしょう。
派手で盛大な茶会ではなく、亭主と客との精神交流を重視する茶会である、
わび茶を確立したといわれる千利休は、茶道のことを数寄道と呼んでいたとか。
茶道を楽しむのは誰か
茶道は女性の習い事、花嫁修行のひとつ
といったイメージが強いと思いませんか?
ところが戦国時代、茶道は武家のたしなみであり、
茶室は武士の情報交換の場でありました。
ちょっと意外ですよね?
そして千利休は名将たちのメンターであり、ブレーンでありました。
その存在の大きさを恐れた豊臣秀吉に、千利休が切腹を命じられたことは、
大河ドラマや映画等でもよく取り上げられている有名な話です。
明治時代以降では、企業のトップや、財界人、
政治家など、ある高いポジションに昇進すると、
紳士のたしなみとして、茶道の門をたたいたということです。
このように本業とは別に茶道に深い知見がある方を、数寄者と呼びます。
さて現代ではどうなのでしょうか?
宗匠方は依然として男性ですが、女性のお茶人の割合が大きくなって、
茶道を華やかにもりたてています。
茶道の流派はどのようなものがあるか
さていよいよ本題です。
茶道にはいろいろな流派が存在しています。
千利休直系の三大流派といえば、三千家(さんせんけ)です。
表千家、裏千家、そして武者小路千家がそれです。
千利休の孫である千宗旦の息子たちの時代に、三千家ができました。
その後千家を名乗るのは表千家・裏千家・武者小路千家(の嫡子)とし、
二男三男にはこれを名乗らせないということを、三千家それぞれが同意したため、
茶道で千家といえば表千家、裏千家、武者小路千家の三家に限定されることとなりました。
今回は流派の名前をあげませんが、
武家茶道と呼ばれる流派の多くは、千利休と同時期の創始によるものです。
その後千利休の茶道の流れを汲み、
枝分かれして創始された流派、さらには近代独自に生まれた流派もあります。
もっとも千利休の師匠の流派や、
千利休が台頭する以前より存在していた流派もあります。
家元は世襲制なので、弟子が独立して流派を創始するのは必然といえ、
現在50を大きく超える流派が存在しています。
それぞれの流派の活動状況については、わかりかねますが。
しかしながらいずれの流派であれ、
茶道の基本的な目的は、人をもてなす際に現れる心の美しさであり、
お客人を抹茶で心からおもてなしするのは同じです。
興味深いことですが、
千利休の直接の流れをふむ三千家であれ、手前の所作は同じではありません。
さらには使う袱紗(ふくさ)の色が違うとか、
道具合わせの好みが違うなど個性があります。
男手前、女手前があることも付け加えておきます。
三千家以外の流派は手前の独自性が強いです。
残念ながら一つの流派に弟子入りすると、
他の流派のお稽古を受けることはしないため、
具体的にどのように違うかを語る事は難しいですが、
是非お茶会に足を運んでいろいろな手前を拝見してみてください。
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