稽古場で新しい点前を覚えたつもりでも、
その次の稽古の時には記憶が怪しく・・という経験は、
茶道を習っている人なら誰でもあるのでは?
稽古場に限らず、自宅でも予習復習の為の稽古をしたいものですね。
オススメの自宅での稽古のやり方、最低限は揃えておきたい道具セット
についてご紹介します。
基本は稽古場で覚えること
茶道の稽古の基本は、口伝えです。
先生が口頭で指導してくださることを、記憶することから始まります。
茶室の中でメモを取ったり、写真・ビデオを撮ることは、
基本的には禁止事項です。
控えてくださいね。
家に帰ったら、すぐに記録
いくら集中していても、一度で点前の全てを覚えることは
不可能です。
私は、お稽古ノートを作り、記憶が新しいうちに、
お稽古の内容を書き付けます。
忘れそうなポイントは、稽古場の控室や帰りの電車の中で、
取り急ぎ走り書きをしておきます。
お稽古ノートに記録する内容は、道具の組み合わせ・お菓子、
そして、お点前の内容と手順、注意されたポイントなどです。
1年前の記録を見返して予習
季節の移ろいに合わせた道具の組み合わせを楽しむ茶道は、
お点前も季節毎に異なります。
1年に1度しかお稽古しない点前もあり、なかなか完璧には覚えられません。
私は、お稽古の前に、ノートを開いて、1年前のお稽古の記録を見返します。
厳冬期の筒茶碗の扱い方、夏の桑小卓の柄杓の飾り方などなど、
そろそろ、この点前のお稽古だなと思い出し予習します。
「先生に手順を注意されたな・・」など、1年前の自分の姿を振り返る
よい機会にもなります。
イメージトレーニングはスポーツだけではない
実際のお道具を使わずに、「持ち上げたフリ」「置いたフリ」を
することを「空手前」と呼びます。
(因みに、うちの社中では、「エアギター」に掛けて
「エア点前」と呼んでいます!)
空点前は、点前の流れを、体に覚え込ませる効果があります。
一種のイメージトレーニングですね。
イメージを描くだけなら電車の中でもどこでもできますが、
できれば、静かな環境に正座をして集中した状態で
空点前をすることをお勧めします。
特に、大きなお茶会で点前を披露する前などは、
入念に行いましょう。
いざお点前の際に、緊張して「頭が真っ白」ということが
起こりがちですが、身体が覚えていてくれれば、
自然と手が動くはずです。
但し、間違った手順を身体に覚え込ませないように!
記憶があやふやな所は、次のお稽古で確認しましょう。
最低限の道具は家にも揃えよう
お道具を全部そろえることは難しくても、よく使うものは、
一通りセットで揃えておくとよいでしょう。
柄杓・茶杓・茶筅・茶巾のセットは、お月謝程度の金額で
揃えられます。
後は、お茶碗があれば、お茶を点てる練習はできますね。
また、これらが揃っていれば、点前は披露せずとも、
お客様に一服を差し上げることができます。
家にあるもので道具の代用もできる
イメージだけで物足りない場合は、家にある食器類を代用して
練習することもできます。
たとえば、寸胴鍋を小さな台に置けば、釜の代用になります。
お抹茶が入っている缶を、そのまま棗に見立てることもできるでしょう。
私は、仕服の結び方がどうしても上手にできず、
家にあったお弁当を包む巾着を使って何度も練習しました。
一番大切なことは実際のお稽古に集中すること
やはり、代用品では大きさ、重さなど、本当のお道具とは異なります。
無理に代用品を使用するより、空点前の方がいいかもしれません。
ただし、何よりも基本は、稽古場でのお稽古です。
お稽古では、集中して先生の話を伺い、
他の方のお点前をしっかり見るように心がけましょう!
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