今回は大寄せの茶会についてお話しましょう。
以前茶会についてお話をしましたが、
そのときには「大寄せ」についての説明はしませんでした。
通常の茶事、茶会では炭点前に始まり、
薄茶、濃茶、食事(懐石)が供され、
道具の拝見がありますが、大寄せの茶会では、
多くの客を一同に招き、菓子と多くの場合は薄茶のみでもてなします。
利休時代の客の数は1人から数人が原則でしたけど、
現代の大寄せ茶会は数ヵ所に茶席を設けて、
1日に100人から1,000人もの客に薄茶(ほとんどの場合)を差し上げます。
野点や立礼の席の場合もあります。
炭点前、懐石は通常省略され、道具の拝見を省略することも多いです。
時間は1席当たり1時間くらいです。
たくさんのお客様にお茶をお出しするので、スピーディーです。
大寄せ茶会では定められた時間内ならいつ行ってもかまいません。
事前に時刻を指定されるので、定刻より15分か20分前に着いて
身支度を整え、席入りを待ちましょう。
伺う時間には融通がきき所要時間も短いので、
茶会初心者マークの方には最適な茶会ですね。
気楽な茶会ということはわかりましたが、服装はどうしたらよいのでしょうか。
やはり正式な着物でなければだめなのかなと考えますよね。
そうですね、着物がやはり一番喜ばれると思いますが、
大寄せ茶会は、気楽な着物でもよいという暗黙の了解があります。
着物の場合
正絹の付け下げ、訪問着、色無地などの格調が高い着物ももちろん大歓迎ですが、
大寄せ野茶会なら、飛び柄で上品な色合いの小紋も着る事ができますよ。
正式な茶会では織りの名古屋帯を合わせるのが決まりですが、
大寄せなら、染めの名古屋帯を合わせても構いません。
一万円台の洗える着物は、いくら何でもやめておきましょう。
高級な化繊着物であれば、言わなければわからない場合もあるので大丈夫かもです。
茶室に入る前にきれいな白足袋に履き替えるのがマナーですが、
これは大寄せでも頑張って守りましょう。
しかしながらコハゼ付きの足袋を瞬時に履きかえるのはけっこう大変なので、
白足袋の上にソックスタイプ男性は紋付袴がベストですが、
男性は大寄せでは、洋服の方がほとんどですね。
足袋カバーを履いていき、茶席に入る前にカバーだけ脱ぐようにすると便利ですよ。
洋服の場合(男女共通)
気楽な茶会だといっても、ジーンズやTシャツ、
サンダルやスニーカーなどのカジュアルすぎる服装はだめです。
指輪、ブレスレット、大振りのネックレスや
ぶら下がるピアス・イヤリングなどももちろんだめです。
腕時計は茶席に入る前に外しましょう。
以前もお伝えした通り、茶会で使われる茶道具は、
大寄せの茶会であっても、一点数万から数十万円もするような高価なものばかりですから、
大事な茶道具を傷つけないために万全を記して臨みましょうね。
茶席では香や茶の香りを楽しむものなので、強い香りの香水は控えましょう。
マニキュアもやめましょうね。
長い髪の毛は、お菓子やお茶にかからないように
アップスタイルにするか束ねておきましょう。
茶室に入るには白い靴下が必須です。
きれいな白い靴下を持参していき、茶室に入る前に履き替えましょう。
茶室に汚れを持ち込まないための気遣いです。
足の指を見せるのは失礼なことなので、
女性の場合、ストッキングを履いている場合も上から靴下を履きます。
洋服の場合(女性)
オフィスカジュアル程度と考えて問題ありません。
ただしパンツスタイルは辞めましょう。
スカートのスーツ、ワンピースなどがよいでしょう。
スカートの丈は膝が完全に隠れる長さのスカートにしましょう。
茶席で正座して膝小僧が見えるどころか、下着まで見えるのは言語道断です。
野点や立礼など、靴のまま入る茶席もあるので、
黒のプレーンパンプスが無難でよいです。
ミュールやロングブーツなどはだめですよ。
全体に派手な色や奇抜な柄のものは避け、落ち着いた雰囲気の装いを心がけましょう。
洋服の場合(男性)
無地のスーツにネクタイを締めるのがベストですが、
気軽な茶会の場合は襟付きのシャツやブレザーなど、
オフィスカジュアル程度でも大丈夫です。
厚手で硬い生地のチノパンや、
スリムなシルエットのパンツは正座をしたときに足が痺れやすいし、
つりやすいので避けたほうが無難です。
女性と同じく派手な色柄のものは避け、落ち着いた雰囲気の装いを心がけましょう。
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