他の回で、茶会の服装についてお話しましたが、
今回は知らなければ判断がつかない、
五月の茶会に参加するとき、どんな着物を着るのがよいのかをお話します。
それでは軽く復習から。
5月におすすめの着物
着物には年三回節目があります(衣替え)。
通常は袷(あわせ)ですが、
暑い時期は単衣(ひとえ)(6月と9月)や
絽(ろ)や紗(しゃ)などのうすもの(7−8月)で>す。
夏用のうすものの帯もあります。
まずは着物から
ルールに乗っ取りますと、
五月は袷の着物を着用です。
生地は一越縮緬や変わり縮緬、
地紋のあるものなら紋意匠など。
綸子は流水、波、笹、御所解きなどのさわやかなもので、
色は中間色の明るいものを選びたいですね。
染め模様なら初夏に咲く花、
常盤木、風景、ぼかし染めなどが粋です。
でも五月って、いきなり夏陽気になって、
大汗かいてしまうような日もありますよね。
そういう日に袷の着物を着るのは半ば拷問だなあと、
すこしブルーになってしまったところで朗報です。
五月初旬は袷ですが、
中旬からは単衣や絽や紗の袷を、
季節に先駆けたお洒落として着用することができるのです。
茶道は先駆け文化なので、
少し早すぎるくらいでも受け入れられます。
ちょっと安心してもらえたでしょうか?
茶道や日本文化を勉強している方以外では、
袷以外の着物を持ってないのが普通だと思います。
まして絽や紗の着物など、
存在すら知られてなくても不思議ではないです。
筆者は暑がり、汗かきなので、
五月以降初秋までに開催の茶会には、
できるだけ参加しないで済むように努めておりますが、
自分の先生が実は避けたい時期に亭主として席を持たれるときは、
水屋の手伝いは必須ですので、
袷の他、単衣と絽の着物を持っています。
五月下旬で、夏陽気になってしまったときの着物は、
もう単衣を通り越してうすものの絽です。
掟破りですが、べたべたできたならしくなるよりはましと、
私の先生は公認済みです。
帯、小物など錦織の袋帯の色 や柄は
夏が近づいていることを感じさせるものがよいとされています。
多彩なものよりは 単彩に近いもの、
また箔錦などの冷たい輝きを持つものも涼しげでいいです。
綴帯などのほかに、季節の風物を描いた、
塩瀬羽二重や 縮緬の染め名古屋帯も軽やかですね。
絽や紗の袷には、夏帯の中なら地厚な品を選びましょう。
帯揚げと帯締めは春物をそのまま使用するが、
色と柄を明るくして、重々しさや暗さをなくしましょう。
帯揚げは薄手の 縮緬や綸子。
帯締めも細めの丸唐組や観世組、冠組などがいいですね。
長襦袢は単衣で、夏の花模様やぼかしなど淡い色あいのものを。
半襟は塩瀬羽二重、足袋は白キャラコの袷。
履物は淡色のものがおすすめです。
髪型やメイクについて
髪型は、四季を問わずすっきりとしたまとめ髪がよいと思います。
これは、お辞儀など頭を下げる動作が多いため、
髪が顔にかかるし、
茶碗や菓子器に入ってしまう危険性もあるからです。
加えてお菓子をいただく時などに髪を触るのは良くないので、
前髪もすっきりさせた方がいいと思います。
着物を着たときの、ベストと考えられるアクセサリーとして
「かんざし」などの和な飾りがありますね。
しかしお茶席ではうっかり落として道具を傷つけるといけません。
大きいものや重たいものは厳禁です。
小さめで、まとめた髪のヘアゴムを 隠すくらいの、
めだたないものがよいでしょう。
その他ネックレス、ブレスレット、指輪、イヤリング等は、
着物を着たときは外しましょう。ピアスは仕方ないですかね。
でも茶会の時は小さくて目立たない、
揺れないものにしましょう。
結婚指輪はいいという考えもあります。
それから数珠なら腕につけていてもいいといいますけど、
数珠はアクセサリーではないですよね?
メイクは、普段よりも控えめにします。
パールの強いものや、グロスの光りは、
お茶席では悪目立ちします。注意すべきは口紅です。
お茶碗につくといけませんので、
席入りの前にはティッシュオフしておくとよいでしょう。
あ、いうまでもないですけど、マニキュアはだめですよ。
茶会の前に落としてくださいね。
以上皆様の参考になれば、うれしいです。
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