茶道では様々なお道具を使いますね。
稽古を始めた頃は、「建水を下げて・・・」と先生に言われても、
どれのことだかわからず、おろおろしてしまいますよね。
茶席で使う道具の種類、見所などを、写真付きでご紹介します。
ちなみに今回の記事は、3部作になっていまして、、
【お点前道具】
茶道の道具の名前は?画像で解説!お点前編
【お客道具】
茶道の道具の名前を写真付きで紹介!お客道具編
【お稽古道具】
茶道の道具の名前を説明します!お稽古道具編
と3つの記事からなっていますので、合わせてご覧ください。
掛軸
掛軸は茶席で一番重要な道具です。
墨跡や水墨画を表装したもので、
特に禅僧や宗匠が禅語書いた墨跡が珍重されます。
茶人や武士の手紙、特に茶道具に関わるものが書かれている手紙も
好んで掛けられます。
一般的には本席では、書を掛けて、その日の茶席のテーマを表し、
待合には絵画など季節感があるもの、また、茶会のテーマや道具を
暗示する内容のものなどが掛けられます。
本紙のまわりには一文字、その周囲に中廻し、そして、上下と
3種類の裂地が使われており、その取りあわせも見所となります。
花入
花を入れて床に飾る花器のことです。
床に置くものと、床の柱に掛けるもの、天井から鎖で釣るすタイプがあります。
素材は、竹を切ったもの、青磁や伊賀などの焼物、銅製のものもあります。
風炉の時期は、使う竹や籐を編んだ籠花入を使います。
香合
炭手前の際に使う、香を入れる道具です。
炭手前を省略した場合は、床の間に飾ります。
風炉の季節は、塗物など木材で作られたもの、
炉の季節は焼物を使用します。
風炉先
風呂の時期に広間で使う背の低い二枚折の屏風のことです。
点前道具を引き立たせるために、道具畳の正面と横に沿って、
風炉の背後に置きます。
釜
鉄でできた炉にかけて湯をわかすための道具です。
茶会を開くことを「釜をかける」というように、茶席の中心となる道具です。
形は大きく、丸、角、筒、肩衝形にわかれます。
全体の形、表面の釜肌の文様や口作り、鐶付や蓋のつまみの意匠が
見所になります。
風炉釜
風炉は、火を入れて釜を掛ける道具で、
5月(立夏)から10月(立冬)までの季節に使用します。
銅、 鉄、焼物があり、切り掛けて釜をかける朝鮮風炉、
中に五徳を置く道安風炉などの種類があります。
素材と形により、風炉の中の灰の形が決まってきます。
棚
点前の際に道具類を置きつけるための棚は様々な種類があります。
大ぶりの「台子」、襖がついた「紹鴎棚」、小ぶりの「丸卓」、
梅の花の形の透かしのある「好文棚」、夏の時期に使う「桑小卓」などがあります。
家元の好みで様々な種類が作られ、流派によっても特長があります。
棚の種類により置きつける道具や点前が変わってきます。
水指
釜に継ぎ足したり、茶碗をすすぐ水を入れる道具です。
焼物が多く、伊賀、唐津、高取といった豪快なものから、
染付など、様々な産地のものが使用され、形も多様です。
塗り物の蓋が付く場合と同じ材質の共蓋が付く場合があります。
また、釣瓶や手桶型の木製のものや、金属製のものもあります。
茶杓
茶器から茶をすくうスプーンのような形のものが茶杓です。
木地や塗物、象牙で作られたものもありますが、多くは竹製です。
竹の茶杓は、中ほどに節があるのが基本の形です。
先端部分の櫂先の形や折り曲げ方、樋の通り方が見所です。
茶碗
茶をいただく焼物が茶碗です。
古くは、中国製の唐物、朝鮮半島から渡来した高麗物が珍重され、
利休の時代に、日本で楽焼が誕生しました。
現代では、日本中の窯元で焼成されており、
多くの陶芸家が茶碗を作陶しています。
全体の形や色、絵付けだけでなく、
口作りや畳に接する高台など細かい所に見所があり、
茶をいただいた後は、手に取ってゆっくり拝見します。
茶入(仕覆)
濃茶を詰めておく壺状の焼物です。
象牙製の蓋と茶入れが入る袋である仕覆が添います。
高さは10㎝ほどの大きさで、肩が張り出した「肩衝」、
林檎のような形をした「文琳」など様々な形が見られます。
茶入は、信長、秀吉の時代には、武将へ褒賞として与えられ
一国と同等の価値があると評価されており、
現代でも、重きを置かれる道具です。
茶席では、仕覆とともに拝見に出されますので、
形、色、釉薬の垂れ方などをじっくり鑑賞します。
棗
薄茶を詰めて置く塗物です。
高さと胴回りの長さが同じ「利休形」が基本の形とされていますが、
平たい形の「平棗」、球状の「丸棗」など様々な形状があります。
蒔絵を施した華やかなものも多く、茶席に彩りを添える道具です。
建水
茶碗をすすいだ湯を捨てる器です。
金属製で壺のような形状のエフゴが一般的ですが、
陶磁器や、木地のものもあります。
蓋置
点前の際に釜の蓋を置いて使います。
竹製のものは、節が上の位置にあるのが風炉用、
中ほどにあるのが炉用です。
陶器製や金属製の物には、凝った形のものが多く見られます。
「蟹」、人形が手をつないだ「三人形」、
井戸を覗き込む人をかたどった「一閑人」。
これらが含まれる「七種蓋置」と言われるものは、
点前で特別な扱いをします。
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