茶道のお稽古を始めるには、
高価な道具がなければできないということは決してありません。
その裏付けとして、最初の道具は「見立て」でも構わないと、
表千家の家元は自ら執筆されたエッセイで語られています。
一般人にはほっとする一言ですね。
家元は続けて語られます。
見立ての場合、あるいは手軽なものを購入する場合にも、
安いから何でもいいのではなくて、
自分が好きだから、この点が気に入ったからといった、
気持ちを入れることが大事であると。なるほど。
1) はじめの一歩の道具
初のお稽古にあたり、若葉マークの初心者が、
最初の稽古に必ず持参するようにいわれる道具があります。
扇子、帛紗、懐紙、菓子切りを懐紙入れに入れて持参というのが表千家の場合です。
加えて古帛紗、小茶巾、小茶巾入れも必要な流派もあります。
表千家の場合は、ざっくり2000円からですね。
この段階では茶道について、右も左もわからないはずだし、
専門店に入るのはまず気後れしますので筆者はデパートをお勧めします。
リーズナブルな初心者セットを用意してくれます。
もし申し込んだ教室がデパート系列のカルチャーセンターなら、
系列デパートの茶道具コーナーがよいかもです。
もしかしたらこれから習う先生の好みなど、店員さんがご存知かもしれませんので。
2) 少しづつ慣れてきたときに欲しい道具
点前で必要な道具を初心者があらかじめそろえる必要はありませんが、
初めて少ししてから自宅でも気軽に抹茶を楽しみたいと思ったら、
茶杓、茶筅、茶碗が欲しいですね。
お稽古の道具とはいえ、茶道に必要な道具がすでに理解できているレベルなので、
デパートの茶道用具売リ場、 徳望庵など茶道具専門店や
さらにAmazonなどのインターネットショップを眺めてみるのはどうでしょうか。
徳望庵もそうですが、多くの茶道具専門店は、
Amazonにも出店していますし、独自でインターネットショップも運営していますので、
手が届きそうな茶道具がみつかります。
抹茶、茶杓、茶筅の三点で、最安値で2,500円くらいからですね。
茶碗については、最初は見立てでもよいでしょうが、
購入するなら500円くらいからあります。
3) 上級の点前のお稽古以降
その後さらに修行を重ね、上級の点前のお稽古に進む方、
自宅に炉を切って茶室をつくる方あるいはお客様を呼んで
茶会(茶事)をしたい方は、さらに必要なものが増えます。
釜、水指、棗(薄茶の茶器)、茶入、茶碗(主茶碗、数茶碗、天目茶碗)、
建水、蓋置、柄杓、茶巾、掛け物、花入れ、香合、
菓子器(主菓子用、干菓子用)、黒文字、お盆、
風炉先、風炉、出し帛紗、香、炭などなど。
茶道歴が長くなるほど、道具を見る目も養われるために、
いいものと出会うと、即購買意欲をそそられる方も少なくないです。
季節によっても使いたい道具が変わってきます。
このレベルになったら、茶道具専門店(徳望庵など)がおすすめです。
料金は最安値ということにはいきませんが、
上級の点前のお稽古をしている方にとって、
もう最安値にこだわる時期はすぎているに違いありません。
茶道具専門店の方は、まずは茶道の心得があり、
道具に関しても間違いなく目利きです。
たとえば瀬戸の肩付きの茶入れが欲しいというのが購買側の意向だとすれば
単にワード検索をして商品を探すのではなく、
購買側の意図に最大限合わせたものを探して、提案してくれるのです。
おなじみになれば、季節によってどのような道具をつかったらよいか、
茶花は何がいいかなども相談にも乗ってくれるでしょう。
これはAmazonのリストの品目がどんなに豊富であっても、
茶道具専門店に太刀打ちできるものではないと思います。
4) 余談ですけど
お茶会で使う道具は特別なもので、箱書きがなければいけないとか、
珍しい道具がないといけないという雰囲気が何となくありますが、
茶会は道具の競い合いではないので、分相応ということが根本にあって、
高価な道具はなくても、客に失礼にあたらない程度の、
釣り合いのとれた道具で「もてなす」という気持ちこそが大事です。
点前のレベルがあがって欲しい道具に出会うようになったら、
少しづつ自分の好みの道具をそろえていきましょう。
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