茶道で使う柄杓、お湯を釜から汲んで茶碗に入れる 重要な道具ですね。
竹でできた柄杓、実はその扱いが茶道ではちょっとした見せ場でもあるので
詳しく知っておくと良いですよ!
ふだんのお稽古で何気なく使っているかもしれませんが、
実は明確な違いがあります。
炉用の柄杓、風炉用の柄杓、炉と風炉兼用の柄杓と、
大きく3種類、よく見ると、全然違うのです。
柄杓の違いを紹介していきましょう。
柄杓の違い ①炉用の柄杓とは?
お湯、お水を入れる合(ごう)と呼ばれる部分が、 風炉用よりも大ぶりです。
炉釜が大きいのでそれに合わせて、柄杓の合も大きいのですね。
風炉用の柄杓と並べてみると、その大きさの違いは明らかです。
かなり大きいですよ。
さらに決定的に違うのが 切り止め(柄杓の柄の一番下の部分)が 竹の皮の方、
つまり表側で切られています。 皮切りといいます。
炉の季節、柄杓を釜に引く時は合を釜に伏せて置きます。
すると切り口は見えませんね。
切り口が見えないように、表側が切られているのです。
そう、ですから逆に風炉の季節は
柄杓は合をそのままの向きで 釜に引くので、
切り止めの切り口は柄杓の裏側になっているのですね。
柄杓の違い ②風炉用の柄杓とは?
炉用に比べて、合は小さめです。
私の先生は、暑い季節に熱いお茶をたくさん飲めないでしょう? とのことでした。
その通り、風炉の釜も小ぶりですから、柄杓も小ぶりになるのです。
そして先に述べたように、切り止めの切り方は、
釜にそのまま引く風炉の季節の柄杓は、裏側に斜めに切ってあります。
これは身切りといいます。
柄杓の違い ③兼用柄杓とは?
自宅で茶道の稽古をしたい時、たいていの場合は自宅に炉が切ってはいない でしょうから、
炉でも風炉でも練習できるように 兼用の柄杓があるので便利です。
合は中ぶり、切り止めは真っ直ぐ、直角に切れています。
個人的には、明確な差異のある柄杓を覚える為にも、
炉には炉の柄杓 風炉には風炉用の柄杓 を使うことで、
柄杓を瞬時に見分けられるようにした方が良いと考えています。
自宅で稽古する場合、炉がないことを考えると
風炉用の柄杓をまずは用意すると良いのではないでしょうか?
他にもいろいろな柄杓があります。
水屋にある柄杓と言えば 水屋柄杓 。
水壺から水を掬うのに使います。
水こし柄杓
底の無い柄杓に麻布や晒布を張って、水指などに水をこして入れます。
つくばい柄杓
庭のつくばいにある、手を清める時に使う柄杓ですね。
柄杓の魅力
数ある茶道具の中では、一見地味な柄杓ですが、
長さもあって、柄杓を扱う動作も他に比べて大きいので、
じつはとても目立ちます。
柄杓の扱いは男女でも、流派によっても違いますが、
それだけに、見せ場でもあって美しく決まるといいですよね!
柄杓の扱いで男女の違いを知りたい方はこちらで紹介されています。
柄杓や茶杓などの竹細工の詳しい内容についてはこちらが参考になりますよ。
柄杓の違いは、合の大きさと切り止めの切り口の違いです。
季節が変わると道具も変わります。
その時がチャンスですよ、どこが変わったのかよく見てくださいね!
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