茶道を始めてしばらく経つと、
先生から「資格」「許状」のお話がありますが、
ただの趣味だからそんなものは必要ないわ、
と思っている人や、絶対資格が欲しいと自分から先生に尋ねる人さまざまです。
なんだかよくわからないけど、
とりあえず取っとこうかな、
という人もまた多いのではないでしょうか。
資格はそれぞれの流派によって異なりますので、
その中から裏千家の資格について調べてみました。
そもそも裏千家とは
表千家に裏千家、武者小路千家、
その他本当にたくさんの流派があって、
茶道を始める際はどこに習いに行っていいのか迷いますね。
私が裏千家を選んだのも
「なんかよく耳にするから」という本当に適当な理由でした。
代表的な表千家、裏千家、武者小路千家は、
ともに利休の孫の宗旦の子供たちの家系です。
宗旦の長男は勘当されて家を出ていたので、
次男が武者小路千家、三男が表千家、
四男が裏千家の初代となり、現在に至っています。
長い歴史の中でお点前はそれぞれに変化し
少しずつ異なる部分はあるものの、
根底に流れているお茶の精神は変わりません。
資格の種類
裏千家では、資格と許状の二つがそれぞれ存在します。
資格は本人の習熟度を示すものであり、
許状はあくまで、
そのお点前を学んでもいいですよという許可証のようなものです。
資格は、初級、中級、上級などに分かれていて、
初級はこのお点前、中級はこのお点前、
というようにそれぞれの資格に相当するお点前が定められています。
許状を申請する際は、
初級の中の3つのお点前のひとつだけを申請することも可能ですが、
その場合、まだ初級の資格の申請ができません。
3つ揃って初めて初級の申請ができるという考えなのですが、
通常一括で申請することが多いと思いますので、
許状3つ申請してお許しをいただいたら同時に資格もいただけるといった流れです。
初級
入門・・・基本のお勉強。割り稽古。
小習・・・前八ヶ条と後八ヶ条の十六ヶ条。
茶箱点・・茶箱を使ったお点前のお勉強。
今回は入門だけ、といった許状の申請が可能です。
まだ若いかたであればこの申請の方法も問題ないと思いますが、
すでにある程度の年齢ではじめたかたであれば、
初級に相当する許状を一括で取って
どんどん上のお点前を勉強したほうがいいかなと思います。
このときのお勉強は、
後々とっても重要になりますので、
しっかりと学ぶべき内容になります。
小習は風炉と炉を合わせると、
たくさん覚えることがあって大変ですが、学びがいもあります。
中級
茶通・・・2種類の濃茶をお客様に点てるお点前。
唐物・・・唐物茶入を使ったお点前。
台天目・・天目茶碗を台に乗せて扱うお点前。
盆点・・・お盆に唐物茶入を乗せて行うお点前。
和巾点・・名物裂の古帛紗に、袋に入った中次を乗せて行うお点前。
いわゆる四ヶ伝のお勉強です。
裏千家では、小習いや茶箱、花月のテキストブックが存在しますが、
ここからはテキストはありませんので、
毎回のお稽古で自分のノートを作って行く必要があります。
私はここでノートを作るのに非常に時間がかかってしまいました。
最初の頃、どうやって書いていいかわからず
ノートなしでやっていましたが、さすがに限界を感じ、
たとえ間違って覚えていたとしても
少しずつ書き留めて行かなければと思い、
ようやくちゃんと作り始めました。
悲しいことに、いまだに完成しません・・・。
上級
行之行台子、大円草、引次
行台子と呼ばれる棚を使って行う奥秘の基礎のお点前です。
行台子、真台子ともに、
今までのお稽古とはがらりと変わる世界が開けます。
いわば茶道のルーツ、
今までやっていたお点前はどこから来たのかを理解することができます。
初級、中級のお点前をしっかりすることで、
上級のお点前が学びやすくなると思います。
大円草はお盆をつかったお点前で棚は使いません。
講師
真之行台子、大円真、正引次
行台子、真台子ともに、四ヶ伝、小習でのお勉強が生きてくると思います。
これはあのお点前だ、
と感じる部分が多いので今までのお勉強が
非常に大切だと思い知らされることがあります。
また、格の高いお道具を扱うお勉強でもありますので、
身が引き締まります。
専任講師
茶名
ここまでくると、ようやく茶名がいただけます。
お茶の世界では、ここからようやくスタートラインに立つというところでしょうか。
助教授
準教授
お茶名から2年経たないといただけない資格です。
お茶名をいただいたからもういいやと思い勝ちですが、
準教授を持っていないと参加できないお勉強もあるので、
茶道とどうかかわっていくかをよくよく考えてから申請したいですね。
ここからまだ上がありますが、
その資格をいただくには一定の条件が必要となりますので、
ここまでがまじめにお稽古をして先生のお許しがあればいただける資格です。
許状の申請は任意なので、無理に取るものではありませんが、
茶道を続ける上でとても大切なものだと思います。
それなりに申請料もかかり大変ですが、
許状を申請し資格を取ると自分の考えも変わって行きます。
いただいた資格に恥じない自分になろうという気持ちが芽生えますので、
お稽古に向かう心構えも変わって行きます。
山は登ってみなければわからない。
あきらめず前向きに、楽しいお茶人生をすごして生きたいものです。
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